SJファンのちょっとした妄想記録帳。

さまよえる時間

はじめまして。

ようこそいらっしゃいました。

まだまだ初心者ペンがお届けするSUPER JUNIORの二次創作小説サイトです。
正しくは個人的妄想の保管場所と言うべきかも知れません。

よそ様の素敵なお話を読むのが専門だったので、まさか自分で書くなんて夢にも思わず
「とりあえずやってみるか?」的に始める事にしてしまいました。
妄想の泉は実はすぐに枯れてしまうかも分からないし、
脳内生産に手が追いつかないで時期に諦めてしまうかも?
ゆっくりぽつぽつと更新できればいいかなぁ と思っています。

拍手・コメント大歓迎。
反応があれば頑張れそうな気がします、いや頑張ります!!

そしてお分かりかと思いますが当サイトにおける登場人物の設定等は、
リアルなご本人達には関係無い事をご了承ください。


※ BLな表現は少なめで鍵付き記事は殆どありませんが
  読む方によって不快に感じられる部分があるかも知れません。
  その辺、ご了承ください。


まったくSJとは関係ないブログもサボりながら併走中。
「ちびくまのフラフラ寄り道」
http://spaziergaenger.blog.fc2.com/


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テーマ : 二次創作(BL)    ジャンル : 小説・文学
  1. ご挨拶
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時間(とき)の先に (52)

≪ Kangin side ≫


俺達がウロウロすると関心を示す人達か必ず居る。
特に女子の先輩達。

『1年生の君達だからこそ注目されるんだから、うまくアピールしてね!』


俺達2日間、先輩達のカフェのPRに努めまくった。

先輩達が撮った写真がSNSで拡散されて、”3人のコスプレ1年生を探せ!”みたいになって
別の企画みたいになってしまったけれど。
俺達を見つけても”歴女”の先輩のカフェをおススメされるだけなのに。

先輩達が奢ってくれたいつもよりゴージャスな、学食での昼ご飯の時も視線集中で、
油断するとイトゥクににじり寄る女子が居たんだ。
大抵はイェソンの「何?」のひと睨みで何とかなったんだけど、それでもイトゥクに触ろうとする人が居ると、
オレが『トゥギに触らないで!』って、伸びて来た腕を掴まないといけなくなった。

イトゥクは王子様だし、凛としてて爽やかだから人気があるのは分かる。
笑顔も可愛いしな?
でも近寄るな!触るな!


『普段制服の時はこんな事無かったのに…。』

イトゥクだけが自分の魅力に気が付いてなかっただけで、みんな知ってた。
俺はず~っと前から知ってたけどな?
見た目の良さだけじゃないんだ。
ちょっと泣き虫だけど素直で優しくて、でも芯も強くて。

お祭りムードだからって…。

誰にも触られたくなくて、ホントに気が気じゃ無かった。


追いかけられるのはある程度想定内(先輩談)とは言え、トイレまで追いかけて来ないで欲しかったよ。
これは予想外で、先輩達は『ゴメンね~!』と言いながら大ウケだった。
交代でトイレの入り口に見張りに立ったなんて。


カフェは大盛況の為、途中でお茶もお菓子も無くなって最終的には無料の休憩場所になった末、
予定より少し早めに閉店する事になってしまった。



『カンイン、腕にアザができてるよ?どうしたの?』
「あ、ホントだ。気が付かなかったよ。」

衣装を脱いで制服に着替える時に、俺の左腕に出来たアザにイトゥクが気が付いた。

『1階の玄関で他校の女子に襲われかけた時あっただろ?トゥギを庇って、壁の角に当たったんじゃないのか?』

夕方から始まる後夜祭でバンドのボーカルをするイェソンは、1人衣装のまま、腕組みをして俺のアザをジッと見た。

『痛くなかったのか?』
「あぁ。」
『俺じゃなくて良かったな?』

そうだな、狂犬に立ち向かわなくて良かったよ。
イェソンも女子には手を上げないだろうけど、怖い目に遭ったと思う。


『イェソンく~ん、お直しするわよ♡』

ステージで歌うのに、快くそのまま衣装を貸してくれた先輩達が、イェソンを取り囲んだ。
あたふたしてるイェソンの帯をキラキラの装飾が付いてるモノに変え、アクセサリーも装着、
髪の毛もセットされる模様。


『スゴイね、イェソン!カッコイイよ、』
「化けたな、お前。」

イェソン推しの先輩達が居たんだな。
アイラインも入れられたのか?


『カンイン君、イトゥク君、イェソン君。2日間ありがとうね。私達、良い思い出ができました。』
『困った事があれば勉強の事でも、それ以外の事でもなんでも相談に乗るわ。』
『いつでも3年生の教室にいらっしゃいね!』

お姉さん達もお疲れ様でした。
これからも俺の勉強、面倒見て下さいね。


一旦それぞれのクラスに戻った後、ステージに立つイェソンが準備に入るまで、俺達は一緒に後夜祭を楽しんだ。
2日間コスプレしたせいで、制服になっても色々な人に声を掛けられた。
だからイェソンの事を宣伝しておいた。



『遅くなっちゃったね。』

盛り上がり過ぎて終了時間が遅くなった後夜祭。
イェソンが悪いんだ。
元々歌は上手いけど、今日はあの衣装。
バンドの先輩達が何回もアンコールに応えるから...イェソン、最後は苦笑いだった。

一緒に帰ろうと待っていたけど、結局イェソンは打ち上げに引っ張って行かれた。
折り悪くバスは行ってしまったところだった...。


「トゥギ、家まで送って行く。」
『え~、大丈夫だって。』
「王子を1人で帰せないよ。何だか小学生の頃を事を思い出して。」

一瞬考えこんで立ち止まったイトゥクは、俺を見て『じゃあ、送って。』と言った。
逆にそう言う風に言われると何だか照れる。


イトゥクは女の子みたいに弱い訳じゃない。
でも守りたいと思うのは、俺にとっては特別な存在だからだな、きっと。

小学生の頃、イトゥクの『助けて!』という声が聞こえた時からずっと。


『カンイン、見て。時間の割に明るいと思ったら、頭の上に満月が...。』


ずっと抑えて来たのに。




空を見上げるイトゥクを引き寄せてキスしてしまった。
幼い頃の頬やおでこじゃなくて、唇に。

『カンイン...?』


驚いて目がまん丸になっているイトゥク。
でも俺から逃げる様子は無くて、俺の言葉を待っているのか?

もう言ってしまうしかないよな。


「俺、トゥギの事がずっと好きだったんだ。
迷惑かも知れないけど、もう友達じゃ居られないかも知れないけど。
止められなかったんだ、ごめん。」




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時間(とき)の先に (51)

≪ Leeteuk side ≫


文化祭で図書室で知り合った3年生、ユミン先輩が所属する同好会のお手伝いをする事になった。
3年生女子で歴史好きの先輩達が作った同好会。

『歴史上の好きな人物を熱く語ったり、それでお話を作ってみたり。縁の土地に行ったりするの。
イラストの好きな人は描くし、手先の器用な人はもちろんフェイクだけど装飾品を作ったりしてるわ。』

カフェとして使用する教室の壁には、時代劇で見る様な服装の人物のイラストが貼ってあったり、
食券売り場の横には見事な髪飾りや、アクセサリー。
別の机に積まれている冊子は、先輩達の作品が載ってるんですよね?

「先輩、あとであれ読んでもイイですか?」
『イトゥク君は読書好きよね?初心者向けのスペシャルなのを今日貸してあげるわ。』

スペシャル?
僕の名前が”イトゥク”だからですか?


ともかく先輩達の用意した衣装に着替えると、僕達も時代の違う人になった。
小柄でボーイッシュな先輩が『完璧に用意出来なくてゴメンね。』って、僕達に謝ってくれたけど十分だと思いますよ?
ヘアスタイルと足元のスニーカーがいつも通りでアンバランスだけど、これでも十分ですよ。
イェソンとカンインは実力のある武官に見えるもん。

僕は、僕は...王子なんですか?
この格好で2日間、このカフェの宣伝をして回るんですね...。
良い反応あるかな?


『その前に3人揃った写真を撮らせてね?』

イェソンは剣を、カンインは弓を持たされて僕の両脇に並ぶ。
『私達の特権♡』と言って、先輩達が代わる代わる僕達にピントを合わせる。

『俺達も後から3人で撮ろうか?』
そう言うイェソンの言葉に賛成!

先輩方、今撮った写真、僕に送って貰えますか?
お手伝いが終われば頼んでみよう。


『カンイン、取り囲まれたら王子はちゃんと守るのよ~!』
『おぅ!』

そう言ってカンインが僕をチラッと見るから、顔が赤くなる気がした。
そんな僕をイェソンがジッと見てたから、やっぱり顔は赤くなった。


表立って目立つ活動はしてないらしい先輩達の同好会。
『思い出に残る事をしたいから。』とカフェを企画したそうだけど、お客さん、集まるとイイよね?
先輩達もみんな綺麗で可愛いし。


とりあえず1年生の教室を回るとウケた。
続いて2年生の教室に行くと、拍手が起こった。
そして3年生の教室に向かうまでに、女子の先輩達に廊下で揉みくちゃにされそうになった。

『トゥギ、下がって!』

カンインが右腕で僕を庇って、カンインの背中の後ろに回してくれた。
そのカンインの前にイェソンが立ちはだかり、剣の柄に手を掛けて周囲を睨みつけた。

「イェソン、止めて!」

イェソンの目付きと雰囲気にビビる先輩達。


『西校舎、3階でカフェやってます。先輩達、来てくれますよね?』

押し殺した声でそう言うと、集まってた先輩はみんなコクコクとうなづいた。
脅しちゃダメだよ、イェソン。

『よろしくお願いしま~す♪』

鋭い目付きがフワッと緩くなった。
あの落差がウチのクラスの女子にイェソンが人気の秘密なのかな?


『あの目が卑怯だよな~?』

そう言って笑うカンインの目もだよ。
僕の腕を掴んだままの大きな手も...。



『お疲れ様でした。3人のお陰で大繁盛でした。あと1日よろしくお願いね?
でも3人でうろついてくれるだけでイイわ。それで十分効果あるから。』

先輩達もお疲れ様でした。
明日は在校生以外の一般客も来る日だけど、うろつくだけで構わないんですね?


帰ろうとした僕をユミン先輩が引き止めて、A4サイズの茶封筒を渡した。

『朝話してた私の作品。帰ってから1人で読んでね?』
「???」


次の朝、ユミン先輩を捕まえて尋ねた。

「先輩、ああいうのアリですか?」
『何かマズイ?』
「ファンタジーだからOKなんですか?」
『私はリアルでも認めるわよ。』

先輩は平然と答えた後にこう続けて来た。

『だからイトゥク君も頑張って!君の気持ちはカンイン君に伝わるわよ?
見てれば分かるわよ。イトゥク君がいつも誰を気にしているのか...。』

小さく早口で囁いた先輩は、僕の肩をポンと叩いて離れて行った。


昨日先輩が貸してくれた作品は、お互いを恋い慕う主従関係の2人のお話。
爽やかなハッピーエンドでまとめられてたけれど。


先輩にはバレてたんだ、僕の気持ち。
『伝わる』って言ってくれたけど、その言葉はちょっと勇気をくれたけど。



まさかの事を考えてもみなかった。








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時間(とき)の先に (50)

≪ Kangin side ≫


高校生活はなかなか忙しい。
勉強、勉強、勉強だ。
学校以外にも塾にも行かなくちゃならないし。

たまに運動部の助っ人で、放課後とか休みの日に野球やバスケをする時はスカッとするな。
やっぱり俺は”勉強する人”じゃないんだな。

塾が無くて、部活もない日は学校の図書室でイトゥクやイェソンと一緒に自習する事もある。
教室や家で勉強しても構わないだけど、ここだと3人集まれるからさ。
隅っこの4人掛けテーブルは、ほとんど俺達の席。

イトゥクは数学がちょっと苦手、イェソンは化学がチンプンカンプンで、俺はピン・ポイントじゃなくて幅広く理解不能。
2人が助けようとしてくれるんだけどなぁ。


「あ~、もうわかんねーしっ!」

そう行って机につっぷした俺の頭の上で『どこが分からないの?』と、落ち着いた女子の声が聞こえてきた。

頭を上げると分厚い本を何冊か抱えた上級生らしい女子の姿が見えた。
ドサッと机に本を置くと俺の隣りに座った。

『私で良ければ教えてあげるわよ、カンイン君。』

美人では無いけど、賢そうでチャーミングな先輩?
もう教えてくれるつもりで俺のテキストを眺めてる。

「俺の事、知ってるんですか?」
『3年生の女子の間でも有名よ。イェソン君もイトゥク君もね?』

受験生で自分の勉強も大変なのに、俺達の相手を1時間半もしてくれた。
このユミン先輩、実は校内1の才媛だった。

「あんなヌナ、欲しかったなぁ。」
『そうだよな?』


俺とイェソンの言葉にイトゥクが鋭く反応した。

『先輩みたいな人がカンインの好みなの?』

そんなに乗り出して聞かなくても...。
好みとかと言うのとはちょっと違うんだけどさぁ。

「あんなヌナが1人家にいると家の中、華やぐだろ?俺一人っ子だし。」
イェソンも『うん、うん。俺んちもオトコ2人だから、同感だ!』と言ったら、
イトゥクは『ウチを見てよ?華やぐどころか爆発してるよ?』と、ため息を付いた。
たしかにイトゥクのヌナは元気いっぱいだからなww


何が気に入ったのか、ユミン先輩は時々俺達を見つけては勉強を見てくれた。
おかげで俺も期末テストでは平均点を保つ事が出来た。




夏休みが終わり、2学期のある日、ユミン先輩に図書室で声を掛けられた。

『君達、文化祭は何か重要なお役目がある?』

俺は前日の準備が終われば後は特になし、イトゥクはクラスイベントの当番になるかも知れなくて、
イェソンは先輩に頼まれて、後夜祭で歌う予定。

『だったら結構時間あるわよね?』


俺達、先輩のお手伝いをする事になった。

『何をするんですか?先輩達の同好会に俺達なんて...。』
『先輩達”歴女”の集まりなんですよね?』

しかも”類は友を呼ぶ”で才女ばかりらしい。
そんな中に1年生の男子3人が何をする?

「力仕事ですか?」

それ位しか思い付かない俺達に先輩は、謎の笑みを浮かべながら『そういうんじゃないの。』と言い、
『じゃあ、ちゃんと決まったら改めてお願いするね?』と去って行った。

少し離れた場所で『OKよ、OK!』と嬉しそうな先輩の声が、逆に俺達を少し不安にした。



それから数週間経った文化祭の当日、先輩の指示通り、早めに登校して指定の教室に行く。
『私達、3年間の記念にカフェをするの。』って先輩達、受験生なのに余裕だよな?

「おはようございます。」と教室に1歩入ると、そこはちょっと昔風に装飾されてて
俺達を迎えてくれた先輩達はチマ・チョゴリの民族衣装だった。
伝統的なカフェをするんですね?

『本当はみんなお揃いの衣装にできるのがベストなんだけど、それは無理だから。』

色とりどりの衣装がとても綺麗ですよ。
イェソンなんて口、空いてます。


「それで俺達は何を?」

先輩達に囲まれて、教室の隅に連れて行かれると『カンイン君達もこれに着替えて欲しいの。』と、
それぞれ衣装を渡された。


『大丈夫、平気よ。私達、兄や弟が居るからガバっと脱いでくれても。慣れてるし。』

いやいやいやいや...こっちが平気じゃないし!!
ヌナが居るイトゥクはともかく、何事にも動じないイェソンが怯えてるじゃないか。


『分かった。着替えたら声掛けてね、あとで着付けチェックするから。』

ユミン先輩が制止してくれなかったら、イトゥクが大柄な他の先輩に身ぐるみ剥がされそうになっててヤバかった。


お茶やお菓子を用意する衝立の向こう側で、大急ぎで着替えをした。

『お、トゥギ!高貴な人っぽいな?』
『そう?』

そうだよ、王子様の外出着っぽいぞ。
俺とイェソンは武官の軍服みたいだ。

『カンインとイェソンも似合ってる。カッコイイよ!』
『めちゃくちゃ強そうに見えるぞ!』
「イェソンもばっちり決まってる。」


着替え終わって先輩達を呼ぶと、『きゃ~♡』と言う歓声と大拍手が俺達を取り巻いた。

『イメージ通りよね?』
『私達にお金があれば、もっと完璧に仕上げたかったわ~』
『はい、イェソン君とカンイン君は小道具アリだからね!』


イトゥクが皇子役、俺とイェソンがその側近役というコンセプトらしい。
この格好で2日間、客引きをして欲しいとの事。


『頑張ってたくさん宣伝して来てね!』
『取り囲まれたら王子はちゃんと守るのよ~!』


それは任せておいて下さい。
先輩達の様な女子からイトゥクは守りますよ?

うん...何からだって守るつもりだけど。


それにしても着慣れない伝統衣装が何か恥ずかしい。








テーマ : 二次創作:小説    ジャンル : 小説・文学
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時間(とき)の先に (49)

≪ Leeteuk side ≫


ここに戻って来た日、カンインに抱きしめられた。
『トゥギ、明日も明後日もあの家に居るよな?』
恐る恐る尋ねる声と背中に感じる温もりが嬉しくて...。

小学校時代からの続きのスキンシップなんだろうけど、心臓が口から飛び指すんじゃないかと思った。
さり気なく「おかしなカンイン」とかわすのが、精一杯だった。


また3人で通学だね。
僕の家とカンインの家の間にあるバス停で待ち合わせ。
イェソンが毎朝、カンインの家に寄ってるんだって。

『こいつ、油断させると遅刻するからな?』
『お前はチャングンと遊びたいから、俺を誘いに来るんだろ?』

高校生になったのに何も変わらないなぁ。
バス停にやって来るカンインとイェソンは注目される程騒がしいか、
あるいは激しい言い合いが一時中断で微妙な静かになってるか、どっちかなんだよね。

僕にとっては羨ましい関係でもあるんだけど、イェソンに『じゃあトゥギ、代わってやろうか?』って言われたら、
それは僕が望んでるそれとは違うなと思った。


急勾配の坂が多いこの町は、バスを利用する人が多いんだよ。
自転車じゃ大変だからね。
上り坂が無理だから。
僕達もそう。

毎朝通勤や通学の社会人や学生でいっぱいの、少しばかり運転の激しいバスに乗らなきゃならない。

ガックンと揺れて倒れそうな僕をいつも横でしっかり支えてくれるのはカンインだ。
どうかしたら一緒に倒れかけたイェソンも合わせて...。
逆だと3人共倒れるね、イェソン?


おじいさんやおばあさんが乗り込んで来たのに、気付かず座ったままの学生に、
それが先輩であっても、「席譲らなきゃ!」って笑顔で言えるカンインは僕の自慢だな。
あの笑顔で誰も文句は言わないし。


学校では3人別々のクラスなんだ...。
カンインとイェソンに「仕方ないよ。成績も違うし、これからの進路だって違うんだし。」って言われた。
それは分かってるんだけどね。

同じ町に住んで、同じ高校に通ってそれで満足する筈だったのに。
それが叶った途端、もっと一緒に居たいなんて。


『トゥギは欲張りだな?』
クラスメイトに囲まれたカンインを離れた場所で見掛けた時に、そんな僕を見たイェソンに言われた。

『いつも一緒に居たいなんて。ってかさ...。』

その後にイェソンが小さな声で『誰も横入りできないんだよな?』って言ったのは、どういう意味なんだろうね?



昇降口で靴を履き替えて、各教室に向かう時、カンインがよくリュックに何かを突っ込ん出る姿を見る。
知ってるんだ、また靴箱に手紙が入ってたんだろ?


『おぉ、大変!』

大袈裟にイェソンが僕に走り寄って、僕の眉間を人差し指で突っついた。

『イケメンの眉間にシワ寄ってるぞ?気になる、あれ?トゥギのにも時々入ってるだろ。』

時々入ってなくもないけど、僕にとっては申し訳ないけど意味無いし。
連絡先とか写真とか...本当に困るだけなんだよ?

僕の尖った口を人差し指と親指で摘まんだイェソンは、大きな声でカンインを呼び掛けた。

『カンイン、今日もまたラブレターか?』
『うん、まぁな。』


その嬉しそうな顔にガッカリする。
どうにかなると思ってなくても、落胆するのが普通だよね。


『どこから?』
『野球部、ハンドボール部、バスケ部、柔道部。』


へっ!?
なぁに、それ!


『入学してすぐにあった球技大会で、俺ちょっと目立っちゃったから...。
体育会系のクラブからお誘いが多くてさ。断っても諦めてくれないんだよな。』


入学して2か月程の頃にあった球技大会で、スポーツは何でも来い!のカンインは大活躍で、
活躍が芳しくない我が校の、数々の運動部から勧誘が引く手あまたらしかった。
そう言えば、カンインが僕の知らない先輩達に囲まれてるのを、何回か見たっけ。


『ギリギリで入学した俺が勉強と部活の両立出来ると思うか?』
『だよな~♪』
『うるさい、お前が言うな!』


何だ、そうなのか。
全部が女子からの手紙じゃないんだね?


『トゥギ、イェソン、また昼休みにな!』

一番端の教室に行くカンインが、僕達に手を挙げて去って行くと、イェソンがこう言った。

『勉強が大変だからって言う理由だけじゃないんだぜ。
運動部なんて入るとトゥギと一緒に帰る回数、減るからだよ。』

本当かな?

『そうに決まってる。俺の想像だけど、絶対合ってる筈。』


イェソンのその自信、信じてイイのかな?
信じるよ、僕?


でもさ、やっぱりラブレター貰ってるよね?

『ファンレターだよ、ファンレター。俺も書いちゃおうかな?多分俺、一番古いファンだと思う。
でも書いてるのはトゥギが一番多いよな?』


あ、そうだね。
でも好きとか書いてないもん。

『どんな時も必ず返事貰えるのはトゥギだけじゃん?』

それは紛れもない事実で、ちょっと安心した。



『俺もモテた~い!』

そう言って自分の教室に入って行ったイェソンに、「ウチのクラスでは密かな人気があるよ。」って教えてあげれば良かった。







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Author:ちびくま
SJペン4年生。
そして悩めるカンインペン。
でもSJメンバー全員を応援しています。
カントゥク・2woon・イェウクにかなり力が入ってます。

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